なんか思いついた、サルヴァトーレ語り?である日のお嬢様の様子的な。
ちょっとばかし裏っぽいにおいしてるの前提ですスミマセン。
* * * * *
ロイ様が遅くに帰宅された。
帰りが遅いこと自体はそれほど珍しい事では無い。
が、今日のロイ様は何時も以上に疲れた様子だ。
コートを手近な椅子の背もたれに放ってシャツの襟元をネクタイごと乱暴に緩めると、ソファーにどさりと身を投げ出し、深い溜息をつく。
「……今日は随分とお疲れのようで」
「あぁ……」
気だるげな返事。
少し呼吸も熱っぽい。
どうやら相当疲労しているらしい。
……雄臭いにおいが染み付いている。
それに加えて、汗のにおいもする。
それも特殊な。
「……マルコに捕まった」
「然様で」
やはりか、と思いながら冷たい水と氷の入ったグラスを、ゆるゆると半身を起こしたロイ様に手渡す。
天下のお膝元で……野郎も大胆なものだ。
ロイ様は水を呷ると、冷たいグラスを額や瞼に押し当てた。
……鎖骨の辺りにいくつか赤い痕がついているのが確認出来る。
「その帰りにブラコン兄貴に捕まって、延々と弟の話を聞かされたよ」
「それはお疲れ様で……」
「どちらか片方ならまだ良かったが……両方となると流石にな……。腰は痛いわ、身体はだるいわ――全く、参ったものだよ」
言いながら軽く首のあたりを押さえているロイ様の背後に回り、肩から首に手をかけ、筋肉を揉み解すようにマッサージする。
日頃からの疲れも堪って、だいぶ凝っていた。
……全く、兄弟揃って困り者だ。
「……ちょうど明日と明後日は非番です。何処かゆっくりお休み出来る所にでもお連れ致しましょうか」
「そうだな……――いや、やっぱりW7に行くよ……たまの連休だし……カクと約束してるしな」
ふむ、と一瞬考える。
カクの所なら、何だかんだで一番安心だ。
それに奴はロイ様には敏感な所がある。
ロイ様が疲れていると判ればまず休ませるだろう。
「ではおれがW7までお送り致しましょう。帰りもお迎えに」
「助かる……」
硬くなった肩の筋肉を一通り揉みほぐすと、ロイ様は大きく伸びをして立ち上がった。
バキバキ、と筋肉が音をたてている。
「――風呂の用意、できてるか?」
「はい。それと夕餉はどうなされますか?」
「そうだな……風呂の後にする。軽食で良い」
やはり今日散々発汗したべたつきと、染み付いた雄臭いにおいを取りたかったのか、ロイ様の足は浴室の方へ向いている。
風呂上がりに食べるなら、あっさりとした、冷たいものが良さそうだ。
……冷製パスタにでもしようか。
かるく白ワインでも添えて、食後にはラベンダーなどを入れたハーブティーをお出ししよう。
……それと、今日は就寝も早い方が良いだろう。
「サルヴァトーレ」
「は」
不意にロイ様に呼ばれ、思考を一度止めて顔を上げる。
「……後で腰のマッサージも頼む」
「かしこまりました」
苦笑して、ロイ様は扉の向こうに消えた。
心身共に、余程疲れているらしい。
……。
野郎共には困ったものだな……。
* * * * *
サルヴァトーレは執事ではありません。
あくまで世話役なんです。
ちらっとキズナさん宅の名前未定中将さんの影をちらつかせて み た か っ た ん だ ……
機会あらばずっと弟の話とかしてそうだなぁと云う、ブラコンに対する勝手な私のイメージ。
もし同じ空間にロイが居たら……いっつもマルコの話されてそうだなァ、なんて。
中将同士で、ちょっと訳ありっぽい同僚だしね……。
んで、本人とその兄からマルコ漬けにされて、ほとほと疲れた様子のロイ姉さんがなんか書きたくなってこんな事態になった。
あれ……おかしいな……
うん、私の頭はもっと自重すれば良い。
そしてサルヴァトーレの兄貴は鼻が利きます。
においで誰に何されたとかだいたい分かったりする事も。
なのでロイがマルコのにおいさせて帰って来たりすると……レオナルドがマルコ容認派なので黙ってるけども、長年世話役やってるサルヴァトーレにしたら微妙な心境だと思われ……。
あと……なんかこの流れでいくと、カクも思いっきり癒し系だな。
カクもロイの身体に赤い痕ついてるのに気付いて微妙な心境になると思われ。
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